「心筋梗塞」は、多くの人がその予兆に気付かず、急に胸に圧迫感を覚え、激痛に襲われる病です。
早急に処置をしないと、命に係わる事態となります。
「心筋梗塞」は、「心疾患」の中の1つで、「心疾患」は、「がん」「脳卒中」を合わせて「日本人の三大死因」と言われています。
今回は、そんな「心疾患」の中の1つ、「心筋梗塞」について書いてみたいと思います。
心筋梗塞ってどんなもの?
日本人の三大死因の1つとされる「心疾患(心臓の病気)」には、様々な種類があります。ザっとあげると、次のようなものがあります。
- 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
- 心臓弁膜症
- 大動脈瘤
- 心房細動(不整脈)
- 心房中隔欠損症
- 大動脈解離
- 心筋症
- 心臓腫瘍
そして、この中の「虚血性心疾患」は、次の2つに分けられます。
- 心筋梗塞
- 狭心症
この様に、「心疾患」はごちゃごちゃと沢山ありますが、「心筋梗塞」はその中の1つです。
そして、「心筋梗塞」は発作が起きて、数時間以内に死亡するケースが約半数に上るとされていて、心疾患の中で最も死亡率が高いとされています。
理由として、「夜間の就寝中」や「一人暮らし」だと発見が遅れることが多く、そのまま死亡してしまう可能性が高い、という事が上げられます。
この病気は、いかに早く治療を行うかが「生死の分かれ道」となり、発症後、一刻も早く救急車を呼ぶ事が、何よりも大切になります。
どうして発症するの?
「心筋梗塞」は血管が詰まって、心臓の筋肉に血液が行かなくなることで起こります。
心臓はポンプのような動きをしていますが、「心臓を動かすための筋肉」に血液が行かなくなり、筋肉が死滅してしまうと、心臓が止るといった仕組みです。
何故、血管が詰まるのかというと、「動脈硬化」をおこしたり、痙攣したり収縮したり、炎症を起こしたりするからです。
その原因の中で最も多いものが、「動脈硬化」です。動脈硬化は、「高血圧」や「脂質の過剰摂取」などで血管が柔軟性を失い、硬くなってしまう症状です。
すごく簡単に説明しますと、
例えば、血管のベストな状態は「ツルツルで柔らかい血管にサラサラの血液が流れている」といった状態ですが、
これが、「ガサガサで硬い血管にドロドロの血液が流れる」といった状態だと、
血管内に少しずつ「コブ」ができて、その「コブ」が破裂すると、「血栓」ができて、脳や心臓の血管を詰まらす。といった仕組みです。
「心筋梗塞」に似た症状で「狭心症」というものがあります。「狭心症」は心臓を動かす血管が完全に詰まるのではなく、細くなって筋肉の働きが不十分になっている状態です。
心臓の血管が詰まると、どんな症状になるの?
「心筋梗塞」で最もわかりやすい症状は、激しい胸の痛みです。脂汗が出るほどの激しい痛みで、胸に強い圧迫感が生じます。
背中・左胸から顎のあたり・左肩から左腕にかけてが痛むケースもあります。
「狭心症」の場合、通常痛みは数分程度で収まるりますが、「心筋梗塞」の場合、20分以上続きます。
それ以外に、「呼吸困難」「冷や汗」「吐き気」「脱力感」「動悸」めまいなどを訴える人もいます。
どうすればいいの?
予兆がある
「心筋梗塞」になる前に、病院でしっかりと診察をして貰うのが一番いいのですが、「心筋梗塞」を起こす人の多くは、発症する1~2カ月前くらいから前兆があります。
胸の痛みや圧迫感が、5分間程度繰り返され、だんだん強くなり、頻度も増していきます。
安静にしていれば痛みは治まるので、放置しがちですが、この段階で病院にかからないと、ある時突然「心筋梗塞」が発症する恐れがあります。
糖尿病や高血圧症の人、高齢者などは、前兆の痛みを感じないケースも多くあります。そうした人でも、「不整脈」「動悸」「脈が異常に早くなる」などの症状が出たりするので、異常を感じたら病院で診察をして貰った方が良いでしょう。
動脈硬化を予防する
そして、「心筋梗塞」の予防は、何よりも「動脈硬化」を起こさないことですが、
動脈硬化の原因となるものは「食生活(高血圧・脂質異常症・糖尿病)・タバコ・アルコール・ストレス・加齢」などになります。
この中でも最も大きく影響しているのが「食生活」です。
ですので、以下のポイントを押さえて、「心筋梗塞」と「動脈硬化」を起こさない為の「食生活の工夫」を普段から心がけましょう。
「食生活の工夫」を「栄養」と「習慣」の観点からまとめてみます。
- 塩分は控えめにする
- 肉料理ばかりに偏らない(脂質)
- 炭水化物を食べ過ぎない(糖質)
- 甘いのもを摂りすぎない(糖質)
- 野菜や海藻類を食べる(ビタミン・ミネラル)
- 食積繊維を摂る
そして、よく言われる事ですが、「魚が良いから!」といって「魚オンリーの食事」では、やはり良くありません。
食事は何かに偏るのではなく、バランスよく摂ることが重要です。
- 「栄養バランス」の取れた食事を心がける。
- 不規則にならずに、毎日決まった時間に3食しっかり摂る。
- 常に「満腹」まで食べるのではなく、「腹八分目」を心がけることが大切。
まとめ
心筋梗塞は「突然襲ってくる、怖い病気」みたいなイメージがあります。
しかし「心筋梗塞」の原因のほとんどが、「動脈硬化」と言われています。
「動脈硬化を予防する」といった具合に考えると、普段の生活の中で取り組めることばかりですので、先ずは「食生活の工夫」に意識的に取り組み、元気な血管を作ることが大切です。
家族の為に、そして何より自分自身の為にも、出来る事を1つ1つ取り組んでいきましょう。
それではまた!