高齢者の宅配弁当で食中毒にならない方法
多くの高齢者の方が宅配弁当(配食サービス)を使っていますが、中には冷蔵庫にいくつか溜めてしまっている方もいらっしゃいます。
高齢者は「もったいない」って思いが強いですから、食べ残しもなかなか捨てることが出来ません。
「もったいない」の気持ちはとても素晴らしいと思うのですが、
高齢になるにつれて抵抗力も落ちてきますので、
やはりお腹を壊さないか心配ですよね。
そこで、今回は「高齢者の宅配弁当における、食中毒」という事について書いていこうと思います。
食中毒って?
最初に食中毒をものすごく簡単に説明しますが、「ウィルス性の食中毒」と「細菌性の食中毒」のと2種類あります。
そして、食中毒っていいますと、夏のイメージがありますが、実は1年を通して起きています。
寒い時期は「ウィルス性の食中毒(ノロウイルス)」が増えて、それ以外の時期は「細菌性の食中毒」が多いといった感じです。
原因は、なに?
主な原因としては、次の2つがあげられます。
- お弁当自体が汚染された。
- お弁当が常温で「放置」され、細菌が増殖した。
どうすればいいの?
多くの業者さんは、徹底した衛生管理のもと、お弁当を製作していますので、
今回は「汚染されていないお弁当が届けられた」ことを前提に進めていきます。
先ずは、当たり前の対策ですが、食事の前は「手洗いをする」という事があげられます。
それだけで、菌やウィルスを体内に入れる確率を格段に下げることが出来ます。
次に②の「お弁当が常温で放置され、細菌が増殖した」の部分ですが、ここは重要です!
宅配弁当(配食サービス)を利用する場合、基本的には自分で野菜や肉を切ったりしないと思いますので、調理中に汚染されてしまう事はありません。
という事は、この②の「放置」を上手に避けることが宅配弁当では最も重要という事になります。
実際に、高い衛生レベルで製造しても、食品は「無菌」ではありませんので、時間と共に「菌」は増殖していきます。
「放置」は、お弁当にとって天敵です。
ですので、お弁当を「受け取った後の取り扱い」を適切に行う事で、②の「放置が原因による食中毒のリスク」を避けることが出来るのです。
放置を避けるため、具体的にどうすればいいの?
私たちが配達に伺ったときによくある例をあげると、
「夏の暑い日にエアコン付けないで、部屋の中はムシムシ状態」とか、先に上げた、「お弁当が溜まってしまっている状態」などです。
部屋がムシムシの場合は、エアコンを「ON」にして、「早めに召し上がってくださいネ」などの声掛けで対応する事になります。
次に、お弁当を溜めてしまうのに、主に2つの要因が考えられます。
①年齢と共に食欲が落ちてきてしまう。
②「間食」などで食べられなくなる。
①の食欲に関しては、「ごはんの量を減らす」、とか「食事の形態」を変えてみるなどといった対応になります。
②に関しては習慣の問題なので、何とかなりそうですが、「ちょっと気分を変えて、他のもを食べたくなる」といった気持ちも、わからなくはありません。「少しなら」と、つい食べてしまいます。
そして「後で食べよう」と、冷蔵庫へ一時保管をしますが、次の日も当然お弁当が来るので、溜まってしまう。そんなパターンが考えられます。
因みに、冷蔵庫は常温ではないから大丈夫じゃないの? といった疑問もあると思いますが、
配食サービス業者の多くは、保存料を使いませんので、やはり、その日のうちに食べて頂く方が良いと思います。
これらの「溜めてしまう」を避けるためには、ご家族やケアスタッフなど、周りのサポートも必要です。
例えば、
残ったお弁当が1日経ってしまったら、捨てるように伝えてみたり、
溜まりそうになったら、1日お弁当を休むように促してみたり、
「残ったお弁当は持ち帰るように言われているんです!」と言って、持ち帰って捨ててあげたり。
要するに、「古いお弁当を食べさせない」という事ですね。
食欲がない日もあるし、別の物が食べたい日などもあると思いますので、本人の状況は毎日変わってきます。
ご自身でコントロール出来ればいいのですが、お弁当のお休みをその都度伝えてくれる方も少ないので、
周りの人が状況をみながら、お手伝いをして行くのが一番良いのかな?と感じています。
それが、宅配弁当を利用してるときにおける、食中毒予防の最も有効な方法ではないかと思うのです。
- 食事の前は手をきれいにする。
- お弁当はその日のうちに食べる。
- 食べ残しは捨てる。
- 取っておく場合、は箸をつける前に小分けにしておく。
- 違うもの食べたいときにはお弁当を1日お休みする。
- 家族やヘルパーさんも、冷蔵庫の管理する。
- お弁当屋さんが前回の分は回収する。
これらの事に気を付けながら、お弁当で食中毒にならないように、
楽しく生活を送っていきましょう ( ^ω^ )/
それでは、また!