現在、私の母は
まだまだ健在なのですが
数年前、
母が今よりも、
もっとピンピン
していた時に
「お母さんが
動けなくなったら、
ちゃんと面倒見てよ!
ホラ、コレ、
いいコト書いて
あるから!」
って言いながら
渡された紙があります。
ポルトガル語で
書かれた作者不詳の
「詩」だそうです。
しかし
「ソレ読んで、
わたしに優しく
しなさい!」的に
受け取られて
しまうので
渡し方には
注意が必要だなぁ
って
当時は思ったのです。
そんな感じで、
あまり気にも留めて
いなかったのですが
先日、
ファイルの間に
埋もれていた、
その「詩」を発見し、
改めて読んでみると
母が、以前よりは
少し元気がなくなって
きたのもありますが
とても心に
伝わってきました。
ですので、
今、親の介護を
している方や
これから必要な方にも
一読して
いただければと
思います。
「手紙 -親愛なる子どもたちへ-」
年老いた私が、
ある日、今までの私と
違っていたとしても
どうか
そのままの私のことを
理解して欲しい
私が服の上に
食べ物をこぼしても、
靴ひもを結び忘れても
あなたに
色んなことを
教えたように、
見守って欲しい
あなたと話す時
同じ話を何度も何度も
繰り返しても
その結末を
どうかさえぎらずに、
うなずいて欲しい
あなたにせがまれて、
繰り返し読んだ絵本の
あたたかな結末は、
いつも同じでも、
私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ・・・
消え去ってゆくように
見える私の心へと
励ましのまなざしを
向けて欲しい
楽しいひと時に
私が思わず下着を
濡(ぬ)らしてしまったり
お風呂に入るのを
いやがるときには
思い出して欲しい
あなたを追い回し
何度も着替えさせたり
様々な理由をつけて
いやがるあなたと
お風呂に入った
懐かしい日のことを
悲しい事ではないんだ・・・
旅立ちの前の
準備をしている私に
祝福の祈りを
捧(ささ)げて欲しい
いずれ歯も弱り
飲み込む事さえ
出来なくなるかも知れない
足も衰えて、
立ち上がる事すら
出来なくなったなら
あなたが、か弱い足で
立ち上がろうと
私に助けを求めたように
よろめく私に、
どうかあなたの手を
握らせて欲しい
私の姿を見て、
悲しんだり
自分が無力だと
思わないで欲しい
あなたを
抱きしめる力が
ないのを
知るのは
つらい事だけど
私を理解して
支えてくれる心だけを
持っていて欲しい
きっとそれだけで、
それだけで
私には勇気が
わいてくるのです
あなたの
人生の始まりに、
私がしっかりと
付き添ったように
私の人生の終わりに、
少しだけ付き添って欲しい
あなたが
生まれてくれたことで、
私が受けた多くの喜びと
あなたに対する
変わらぬ愛を持って、
笑顔で答えたい
私の子どもたちへ
愛する子どもたちへ
ありがとう